会社と家庭と”もう一つの居場所” 働き方が多様化した次は選択肢も多様化する

先日株式会社ロート製薬が副業を全社員にOKにしたとニュースで報道され、ついに日本でも副業が解禁されたと話題となっていました。

この制度、正式には、「社外チャレンジワーク制度」と名付けられ、土・日・祝・終業後に収入を伴った仕事に就業すること(兼業)を認めるというものです。また、これと合わせて創られたのが「社内ダブルジョブ制度」。これは、社内でも一つの部署にとどまらず、複数の部門・部署を担当できる制度です。

こうした活動を合わせて、ロート製薬は、社員が会社の枠を超え、より社会へ貢献し自分を磨くための働き方ができることを目的とされているとのこと。

”働き方が多様化”が目に見える形で世の中に出てきた.そして、働き方が多様化した次には、その先の本業以外で”活動する場所”の選択肢が今まで以上に様々なモノが増えてくる。言うならば、家庭でもなく、本業でもなく、”第三の居場所”を持つ人が増えるということです。(私たちは、こうした活動をパラレルキャリアと呼び、コミュニティとして第三の場所を提供しています。)

 

少し前までは、本業で一つの仕事に専念すること、大きな会社に勤めることが社会にとって「良い人生」を送るためには必要だと認識されていました。企業も終身雇用制度を取り入れ、一度入社すれば定年退職までその人の雇用を保証するようになりました。世界的に見てもまれなぐらい勤勉な日本人。朝から晩まで働いて、仕事に追われる日々が続きます。

2011年、東日本大震災が発生し、多くの方が働き方や生き方を見つめ直す機会となりました。”ワークライフバランス”や”ホワイトカラー”などが広まり、”仕事しかしていない人生”や、”家庭を顧みない生活”が果たして自分の人生なのか?多くの方が考えるようになりました。社会での”働き方”や、これまでに常識が変わっていきます。企業も従業員の満足度を重視するようになり、働く人は自分らしく働ける場所を求めて職を転々とするようになります。その結果、非正規社員の上昇、企業の人不足などの問題が発生しました。

こうした時代の流れの中”昔の価値観で作られた制度”と”新しい価値観で行動する人”の間にある意識の差が、社会の溝となっています。

そんな中、”新しい価値観”へ対応するためのモノがロート製薬で例えるなら「社外チャレンジワーク制度」です。インターネットを使えば誰でも情報が取れる時代で、一つのことだけをやり続ける。それを企業が強制することが難しくなってきているため、いっそのことOKにしてしまおう!と取り入れたのです。

仕事だけしてることが常識だった時代から、仕事もプライベートも両立し、自分らしい人生を送ろう。という価値観への変化。更にその先は、もっと自分を成長させるために、新しい取り組みに挑戦してみよう。という価値観へ時代が変化していくと考えています。

つまり、本業+家庭+”第三の居場所”を持つ人が増えるということです。

 

居場所と書きましたが、何かに”所属”しないといけない訳ではありません。ここは、自分らしさを発揮できる環境とでも言えば良いでしょうか。例えば、自分のできることを活かし、数人で「プロジェクト」を組み活動される方もいれば、NPO法人や社団法人などで非営利活動をされる方もおられます。

副業を認めることで、優秀な人材が社外に流れることも懸念されていますが、働き方が多様化している時代だからこそ、多様性を認めてくれる、推進してくれる会社にいたいと思う気持ちはより強くなると思っています。どこの企業も人材不足で人手不足です。従業員の方をより大切にし、働きたいなと思われる企業風土をつくりあげることが、「この企業で働きたい」と選ばれる理由になるのではないでしょうか。

また、第三の居場所を持ち、そこでの活動を通じての発見や人脈を本業でも活かしたり、新たな仕事が生まれることも多く会社にとっても良い影響を与えることが多いです。本業では携わらない部分のスキルも身につけることができ、社内で行う研修以上に実体験を通して得られるものが多くなります。「副業」という言葉を聞くと「アルバイト」や「パートタイムの労働」などが想像されがちです。しかしこれからは、”第三の居場所”として活動できる場所との認識も広がり、社外で体験を詰める機会も多様化してくることでしょう。

 

 

今後、働き方が多様化するにつれて、この”第三の居場所”を創ること、また、そこでどのように成長できるのかが大きなテーマとなると思っています。副業による多様化が上手くいかないと言われる所は「空いた時間で少しやる程度の活動からは何も生まれない」との見解からです。

確かに、起業やフリーランスを目指す方、実際に自分のスキルで独立している方からすれば「一つに打ち込めよ」と思われる方も多いかもしれません。だからこそ、副業で自分の居場所を見つけ出すことが重要なのかもしれません。

ロート製薬さんのように、副業・兼業を認めることで、第三の居場所での活動を見つける方が増えると面白いなと思います。